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レンタル半段情

無意識に心

食事だけのときもある。
 彼女の策略にまんまとはまっているという自覚はあるが、特に不快には感じていなかった。むしろ楽しみなくらいである。次はどこに連れて行こうか、どこに連れて行かれるのか——そんな些細なことに思いをめぐらせるだけで、西聯匯款 が浮き立ってくるのだ。
 しかし、こんなことをいつまでも続けるわけにはいかないし、続くはずもない。悠人には彼女の想いに応える気などないのだから。そう思いつつも自分から終わらせる勇気はなかった。いつか来るであろう終焉をうっすらと覚悟しつつ、ただなすがまま現状に流されていた。

『今度の金曜日、できれば日中にお時間いただけます?』
 彼女からそう電話があったのは、脫髮中醫夏が過ぎ、秋に変わりゆく季節のころだった。
 しかし、先週末に彼女から誘われて食事をしたばかりであり、本来なら次は来週、それも悠人の方が誘うはずなのにと訝しく思う。おまけに日中というのが解せない。あのお礼のとき以来、時間の早い遅いはあれど会うのはすべて夜だったのに。
 暗黙の了解が崩れたのは、終焉の予兆かもしれない。
 そんなことを考えながらも、素知らぬふりをして金曜の午後に時間を取ることを約束した。何をするつもりなのかはあえて尋ねていない。どうも秘密にしたがっているような口ぶりだったので、その意思を尊重したのである。それでもまあ大丈夫だろうと楽観していられるくらいには、彼女を信用していた。

 待ち合わせ場所は、彼女のマンションからも画廊からも離れたところにあ
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